監督・脚本・製作:ビル・ホルダーマン
出演:ダイアン・キートン、ジェーン・フォンダ、キャンディス・バーゲン、メアリー・スティーンバージェン、クレイグ・T・ネルソン、アンディ・ガルシア、ドン・ジョンソン、リチャード・ドレイファス
長年の友人であるダイアン(ダイアン・キートン)、シャロン(キャンディス・バーゲン)、ビビアン(ジェーン・フォンダ)、キャロル(メアリー・スティーンバージェン)。さまざまな事情を抱えながらも固い友情で結ばれた彼女たちは、同じ1冊の本を読んだ後に感想を語るブッククラブと名付けた集まりを開いていた。ダイアンの提案でイギリスのベストセラー官能小説「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」を読み合うことになるが、その妖しい内容にメンバーが次々と感化されていく。
平均年齢74歳。輝かしいキャリアと演技力、カリスマ性、女子力溢れるオーラ。未だにエネルギーを放ち、重ねてきた年齢が醸し出す美しさと華やかさ!この4人の舵をとるのはさぞかし大変だったろうと思いきや、意外にも監督は本作が長編映画デビュー作、しかも43歳という若さ。これまでにロバート・レッドフォードなど数々の作品で製作・脚本として携わってきただけに、大女優の扱いには慣れていたのかもしれない。
老境に入った彼女たちの米国的「あるある」エピソードが列挙される。”米国的”と書いたのは、日本の同世代では考えられないほどの明け透けな性談義・性行為が繰り広げられることからだ。
しかも、読書会の本に選んだのは、世界的ベストセラーで映画化もされた官能小説「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」。本の上を行くのか下を行くのか、何とも表現し難い、しかし枯れない、自立した彼女たちが演じるとアッケラカンと明るいことこの上ない。
幾つになっても、「あの頃に戻りたいなんて思わない。今が一番幸せ!」と前向きに胸を張り、人生を諦めない姿は清々しい。お相手となる4人の男優たちもそれぞれ個性があり魅力的だ。
どの場面でも目を惹かれたのは、男女優8人が纏う衣装、そして米国富裕層らしきインテリアの意匠の数々だ。登場人物それぞれの個性を活かしながら役柄を引き立てることに成功していた。勇気を貰える一作である。それにしても、ベテラン女優を主演とした企画が通り、興行的にも成功するハリウッドと、若者対象のコミック原作が跋扈する邦画界との彼我を思う。(大瀧幸恵)
配給:キノフィルムズ 提供:木下グループ
2018/アメリカ/スコープサイズ 104 分/カラー/英語/ DCP 5.1ch
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公式サイト:https://bookclub-movie.jp/
★12 月 18 日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国順次公開
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