監督︓ティム・ストーリー
出演︓クロエ・グレ-ス・モレッツ、マイケル・ペーニャ、ケン・チョン、コリン・ジョスト、ロブ・ディレイニー
⽇本語吹替え:⽔瀬いのり、⽊村昴、⼤塚芳忠、飯豊まりえ、霜降り明星(せいや、粗品)、千葉繁、坂本真綾、⽇野聡、浪川⼤輔、新⾕真⼸
ある日、新人のケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)が働くニューヨークの高級ホテルに、ネズミのジェリーが引っ越してくる。そのホテルでは世紀のウエディングパーティーが開催されるが、ジェリーとその天敵の猫・トムのせいでパーティーはぶち壊しになる。2匹は自分たちの汚名を返上するために仕方なく手を組み、最高のウエディングパーティーを開こうとする。
子どもの頃から見続けてきた懐かしいアニメ!日本語タイトル曲だって”そら”で歌うことができる♪そんな思い入れの多いアニメが、舞台を現代のNYに設定。実写とのコラボに期待して試写へ臨んだ。冒頭より軽快なリズムに乗せたラップが踊る踊る。元から「トムとジェリー」には言葉がない。その魅力は何と言っても俊敏な動きと緩急に富んだリズムにあった。TV版より数倍は早い進化を遂げた”2人”に、よくここまで合わせたと感心するほど、実写映像との違和感はない。テンポ良く劇伴のリズムとも同化している。
映像と音楽の素早い展開に集中することができる吹き替え版は、本作の鑑賞に適していたかもしれない。弾けるポップな色遣いや凝ったギミックが飽きさせない。監督は『ファンタスティック・フォー』シリーズなどのティム・ストーリー。ギミックを多用したグラマラスで華やかな映像が得意な人だ。
視覚的なギャグは、子どもから大人まで幅広い世代、言語にとらわれない多様な文化を持つ層による鑑賞を視野に入れた設計だろう。民族多様性という意味では、NY社交界の花形がインド美女であることも新鮮だ。
高級ホテルの中をトムとジェリーと一緒に探検潜入して行くようなワクワク感がある。バディムービーにもなっており、追いつ追われつのチェイスシーンにも疾走感が感じられ、心地好い。
クロエ・グレ-ス・モレッツ、マイケル・ペーニャ、ケン・チョン(『ハングオーバー!︕』シリーズ)らとの共演もスムーズに進み、最後は楽しさ大団円を迎える。
(大瀧幸恵)
2021年製作/101分/G/アメリカ
配給︓ワーナー・ブラザース映画
©2020 Warner Bros. All Rights Reserved.
公式サイト︓http://tomandjerry-movie.jp
★2021年3 ⽉19⽇(⾦)より、全国ロードショー
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