FUNNY BUNNY

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監督・脚本・編集:飯塚健
製作総指揮:森田圭
音楽:海田庄吾 撮影:小松高志 
原作:舞台「FUNNY BUNNY -鳥獣と寂寞の空-」(演出・脚本 飯塚健 /青山円形劇場、 2012)、小説「FUNNY BUNNY」(飯塚健/朝日新聞出版)
出演:中川大志、岡山天音、関めぐみ、森田想、レイニ、ゆうたろう、 田中俊介、佐野弘樹、山中聡、落合モトキ、角田晃広、菅原大吉

うさぎの着ぐるみ姿の二人組が、“絶対借りられない本”を盗もうと図書館に侵入する。あえなく捕まった自称・小説家の剣持聡(中川大志)と漆原聡(岡山天音)は、騒動を起こした真意について、目的の本に「宝の地図が隠されている」のだと話す。数年後、図書館で出会った5人がラジオ局から電波を盗む計画を立てる。この二つの騒動には、ある真実が秘められていた。

台詞や舞台設定が妙にシアトリカルだと感じた。元は飯塚健監督のオリジナル戯曲による舞台作品だったのだ。飯塚監督自身がノベライズも書いている。何れの作品も反響を呼び、映画化された本作は、若手俳優たちのアンサンブル演技が活きた、近頃では珍しい熱量が迸る103分である。

『風俗行ったら人生変わったwww 』 『ブルーハーツが聴こえる』 『全員、片想い/MY NICKNAME is BUTATCHI』 『虹色デイズ』『荒川アンダーザブリッジ』 『ステップ』、個人的に大好きな『大人ドロップ』、公開を控える『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』などなど…。群像劇から恋愛もの、家庭劇、ミュージシャンのPVまで精力的に撮り続ける飯塚監督は器用な人だ。

ミステリー調の本作は、飯塚監督のフィルモグラフィーの中でも異色と言えるかもしれない。兎の被り物軍団による図書館襲撃、その目的は?深夜の図書館での会話劇。加速するミッション、ラジオ局の襲撃…。時空間を鮮やかに飛び超える疾走感。着地点は意外にもエモーショナルなリリシズムと溶け合う同化力へと進化した。

主演作が相次ぐ中川大志。若手名バイプレイヤーの岡山天音、落合モトキら若手俳優陣の煌めきを焼き付け、個性の異なるルックを際立たせている。映画館&配信同時ロードショーという2ウエイでの公開も新たな取組みとして興味深い。
(大瀧幸恵)

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2021年/日本/103分/カラー/ビスタ/5.1ch/
製作:KDDI
制作プロダクション:ダブ 
配給:「FUNNY BUNNY」製作委員会
(C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会
公式サイト:https://funnybunny-movie.jp
★2021年4月29日(木・祝)より、映画館&auスマートパスプレミアムにて同時ロードショー

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