リカ 〜自称28歳の純愛モンスター〜

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監督:松木創 
原作:五十嵐貴久「リカ」「リターン」(幻冬舎文庫)
脚本:三浦希紗 
音楽:戸田有里子
出演:高岡早紀 / 市原隼人 内田理央 尾美としのり マギー 佐々木希

3年前に逃走犯・雨宮リカ(高岡早紀)に拉致され、消息を絶っていた本間隆雄(大谷亮平)が遺体となって発見される。捜査に当たる刑事・奥山次郎(市原隼人)は容疑者のリカを誘い出すため、マッチングアプリを使って彼女と接触。一方のリカは、「魂の片割れを探している」と偽る奥山を運命の人だと思い込み、ゆがんだ恋心を募らせていく。捜査が進むにつれリカにのめり込んでいく奥山を案じる婚約者の青木孝子(内田理央)は、同僚の梅本尚美(佐々木希)と一緒に彼の部屋へ向かう。

男子の皆さんにはトラウマになるかもしれないサイコホラーテイストの純愛映画。一方的な愛を貫くために、経歴、年齢といった個人情報を全て偽り、目的に向かって手段を選ばずひたすら邁進する”リカ方式”。原作者の五十嵐貴久によると、
「僕はリカをゴジラのような怪物的存在と思って書いています。最初の小説では 8 割が男性読者で、女性には受けませんでした。それが文庫化されてから比率が逆転していき、今では 8 割が女性で 2 割が男性です。女性の読者が増えていくうちに「分かる、分かる」が日々増えていく状況で、これは予想外でした」
と語っている。ストーカー行為に踏み出すのは極端としても、針が振り切れる程に愛したい!という願望を抱える女性が増えているということか…。

よく言えば純粋・純愛、悪く言えば怪物的な相反するキャラクターを造形した高岡早紀の怪演ぶりは必見に値する。少女のようにも見える濡れた瞳、年齢不詳の印象を決定づけるのはボブカット。花柄模様のドレス、キャンドルライトが揺らめく部屋、窓のステンドグラス、花言葉に詳しく、遊び道具はドールハウス。贈られた写真の花も3Dプリンターで起こし、色付けしてリアルな花の触感まで造型してしまうのだ。
高岡早紀を裏支えするため、徹底したガーリーさ、非現実性を追求した美術、衣装、ヘアメイク、照明、カラーリングのスタッフワークが磨きをかけている。

リカを逮捕しようと追い詰める刑事役の市原隼人目線のストーリーテリングも続き、てっきりワンアイデアで行くのかと思いきや、中盤から意外な畝りを兆し始める。勝負の的が別方向へ向かって行くのだ。リカも超人的な次元へ突入し始める。小説では得られなかったリカ像だろう。既読者の方はその辺りを楽しみに。
試写の後、先に実写化されたTVドラマをイッキ見してしまい、原作も読みたくなったのは、既に「リカ化」が侵食しているから?!
(大瀧幸恵)


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2021年/カラー/ビスタ/5.1ch/99分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
制作プロダクション:共同テレビジョン 
(c)2021映画『リカ 〜自称28歳の純愛モンスター〜』製作委員会
公式サイト:http://www.rika-28.com/ 
★2021年6月18日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

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