没後40年 セロニアス・モンクの世界 モンク・イン・ヨーロッパ (原題:MONK IN EUROPE)

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監督:マイケル・ブラックウッド/クリスチャン・ブラックウッド
出演:セロニアス・モンク(ピアノ)、レイ・コーブランド(トランペット)、 クラーク・テリー(トランペット)、フィル・ウッズ アルト・サックス、 ジョニー・グリフィン (テナー・サックス)、チャーリー・ラウズ (テナー・サックス) ジミー・クリーヴランド (トロンボーン)、ラリー・ゲイルズ (ベース)、ベン・ライリー(ドラムス、ネリー・モンク

1968年に行われたヨーロッパツアーの記録。 足で床を叩いてリズムをとりながら圧巻の演奏を見せるモンク。それに負けずとも劣 らない迫力のパフォーマンスで応える実力派ミュージシャンたち。ロンドン、ストックホルム、コペンハーゲン、ベルリン、マインツ、ロッ テルダム各地でのステージに加え、モンクのホテルでくつろぐ様子、街を闊歩する姿なども収められている。

同じく‘68年に行われたヨーロッパツアーの記録映画。ロンドン、ストックホルム、コペンハーゲン、ベルリンなどを回ったはずなのだが、2部作とも一切の説明的な字幕やナレーションはない。ガーシュインの「巴里のアメリカ人」のフレーズがソロアレンジ中に挿入されるから、パリなのかな?と思う程度だ。ひたすらモンクの弾き出す音、素顔に肉薄し、背中を追い続けるだけ。無駄な修飾も加工性もない分、モンクその人の素顔がダイレクトに伝わってくる話法がファンには嬉しい。

”何処かの国”に到着時、「まだNY時間だからな」と言いながらリハーサルを始めるバンドメンバー。いつもの”チョンマゲもどき”帽子をヨーロッパでも愛用。頭からエネルギーを貰っているのかもしれない。「ソロの順番 はどうする?」「いいとこで拾って」と言いながら、譜面をじっくり確認するモンク。リハーサルは入念だ。
今回の帯同メンバーにはホーン奏者が多い。記者にそのことを聞かれても「誰かがそうしたら?と言った」などととぼけてみせる。
大きな指をしならせて躍動的に弾く姿から「88鍵じゃ足りないのでは?」「いや、88鍵でも楽しいよ」。記者とのやり取りを楽しむ様子が伝わってくる。

年季の入ったグランドピアノがモンクに似合ってイイ感じだ。本作では足のアップが多い。大きく床を踏み鳴らし、リズムをとりながら演奏するモンク。 会話を重ねるように、圧巻のパフォーマンスで応じるミュージシャンたち。それぞれのソロ演奏がカッコいい!メンバーのソロ中、なぜか歩き回るモンク。大柄な体躯はステージ上でも目立つ。カメラもつい追ってしまうのだろう。
モンクなしでも洗練された演奏を聴かせ、テンポを合わせる。まとまったグルーブ感が素晴らしい。クラーク・ケリーとの掛け合いは見もの聴きものだ。

夫人を同行したツアーなので、ホテルのルームサービスを注文したり、2人隣合ってバス移動するところなどモンクの私生活が垣間見える。
(大瀧幸恵)


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1968年 59分 | アメリカ | B&W スタンダード | モノラル
配給・宣伝:マーメイドフィルム コピアポア・フィルム
©1968 All rights reserved by Michael Blackwood Productions
公式HP: https://monk-movie.com
★2022年1月14日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、UPLINK吉祥寺ほか全国順次ロードショー


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