アライブフーン

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監督・編集:下山天
エグゼクティブプロデューサー・企画原案:影山龍司
監修:土屋圭市
プロデューサー:瀬木直貴・沢井正樹
脚本:作道雄・高明
音楽:吉川清之
主題歌:「Hunter or Prey」(NOISEMAKER)
出演:野村周平 吉川 愛 青柳 翔 福山翔大 / 本田博太郎 モロ師岡 土屋アンナ きづき / 土屋圭市(友情出演) / 陣内孝則

内向的で人付き合いが苦手な大羽紘一(野村周平)は、幼いころからゲームにだけは驚異的な才能を示し、レースゲームの大会で日本一となる。ある日、解散の危機に陥ったドリフトチーム「チームアライブ」のメカニックだという武藤夏美(吉川愛)にスカウトされ、テストを受けると初めての実車でも才能を発揮。夏美の父で元レーサーの亮介(陣内孝則)に反対されるも、実力を認められチームに正式加入し、テクニックを磨いていく。

ハイスピードカメラを多用し、車が走行する美しさをじっくりと表現。地面すれすれの場所に設置したカメラによるローアングルからの映像とサウンドはとにかく迫力大である。レース場面では「いくつカメラがあるの?!」と驚くほどを様々なアングルでレースの行方を追う。2台の車がユニゾンの如く流れる姿はまるで優雅なダンスを観るようだ。

本作の醍醐味は、実車が織り成す速さとサウンド、映像美だろう。車の運転は嫌いではないが、メカにもレースにも全く疎い身としては、初めて観る(知る)「ドリフトレース」の迫力に圧倒されてしまった!しかも、CGや合成でも自動運転でもなく、人力操縦の実態感が伝わる力強さを感じさせてくれる貴重な体験だ。

ドリフトレースは、日本発祥のモータースポーツということを初めて知った。素人が言葉で説明するよりも、実際に観て知って!と言う外はない。目にも止まらない程の速さで操作するシフトチェンジ(半クラッチが下手でよくエンストさせていた自分を思い出した(笑))。右へ左へ…巧みなステアリング操作。横滑りしても慌てない冷静なブレーキ制御。1秒後には状勢が変わってしまうスピード、地面を揺るがすようなサウンド、タイヤが軋む音からはゴムが焦げた匂いまでが伝わってきそうだ。神業テクニックと芸術的な並走ドリフトを描く映画。よほどレースに精通した人でなければ、監督、撮影、編集、そしてアクション演出は出来得ないだろう。

監督はミュージックビデオ、アクション、ラブストーリーまで多様なジャンルの作品を撮る下山天。監修として、『ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT』のドライバー兼スーパーバイザーでもあるレーサーの土屋圭市が参加している。企画・構想に 3 年を費やしたという。ドラマの発想も意表を突く。ゲームのeスポーツ日本一のゲーマーが、リアルドリフトの頂点を目指そうという物語なのだ。いくら上手いといってもゲームでしょ?実車は運転したことないのに?と素朴な疑問が湧くが、世界でもeスポーツから実車のレーサーに転向した例は多いそうなのだ。

演じる野村周平は、無口で暗くコミュ症的だけれど、ひとたびゲームに向き合うと天才的な才能を発揮する主人公を好演している。運転技術だけではなく、そこから発する感情の発露まで体現できたのは、監督、スタッフ、盛り上げ係となる脇役陣の功績が大きい。ベテランメカニックの本田博太郎が登場するだけで、この人に任せば安心、という説得力を齎す。チャンピオンレーサー青柳翔との絡み。ライバル役・福山翔大とチームオーナーである土屋アンナのカッコ良さ☆なかなか日本人では醸し出せない雰囲気の醸成が上手い。
劇場で五感を使い、体感してほしい映画だ。
(大瀧幸恵)


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製作:「アライブフーン」製作委員会(無限フィルムズ・福島民報社・ソウルボート)
製作協力:電通
後援:福島県・福島市・日本自動車連盟
配給:イオンエンターテイメント
©️2022「アライブフーン」製作委員会
公式サイト:https://alivehoon.com
★2020年6月10日(金)より、全国公開


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