HiGH&LOW THE WORST X

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監督: 平沼紀久
出演:【鬼邪高校】川村壱馬、吉野北人、佐藤流司、神尾楓珠、福山康平、龍、鈴木昂秀、うえきやサトシ、中島健/森崎ウィン/前田公輝
【瀬ノ門工業高校】中本悠太(NCT)、三山凌輝(RYOKI)、永沼伊久也、比嘉涼樹
【鎌坂高校】藤原樹、岡宏明
【江罵羅商業高校】長谷川慎、陣、今村謙斗
【鳳仙学園】塩野瑛久、葵揚、小柳心、荒井敦史、堀夏喜、坂口涼太郎
【鈴蘭男子高校】三上ヘンリー大智、板垣瑞生、時任勇気、八木勇征、木村慧人、高橋祐理

SWORDの「O」鬼邪高校。定時と全日に分かれるSWORD地区最凶の不良高校である。その全日制で頭を張る花岡楓士雄は、数々の伝説を持つ最強の男・ラオウをたずねて、戸亜留市にある鈴蘭男子高校を訪れていた。その頃、鬼邪高の首を狙うSWORD内の不良達は、虎視眈々とその機会を伺っていた…。中でも、エンジ色の学ラン、通称“血の門”と呼ばれる瀬ノ門工業高校の頭・天下井公平は、須嵜亮という最強の男の力を手に入れ、さらには、同じく鬼邪高の首を狙う鎌坂高校と江罵羅商業高校を傘下に加え、「三校連合」を築き、その勢力を拡大していく。鬼邪高の高城司と轟洋介は、そんな三校連合の怪しい動きをいち早く察知するも…その時は突然、訪れる。遂に、三校連合による鬼邪高狩りが始まった。

「人間は2種類よ。 上から見下ろすか、下から見上げるか…」
カッコいい決め台詞。これ以降は、喧嘩、抗争、流血、大アクション場面の連続。しかも全員高校生。台詞らしい台詞は…。記憶にございません(笑)。それでいいのだ、このシリーズは。 何しろ繰り出される画面画面のショットの強度が凄い。ハイスピードカメラを駆使し、細かいカットを重ねる。編集技術の見せどころである。 ワンカット長回しの引き画面から映し出されるアクションは吹替えなしの本物だ。人気者だらけの出演者なのに、顔は大丈夫か?などと要らぬ心配をしてしまうほどにリアルな喧嘩シーンが続く。

キレのいいアクションを支えるのは、前述のカメラワークと編集、そして美術スタッフだ。 不良高校生、総勢100人が居並ぶ序盤シーンは壮観である。落書きだらけの荒れ果てた高校。外壁は崩れ落ち、割れてない窓はなく、廊下も傾いている。マンガ原作であっても、こうした現場を見なければ造形し得ない意匠だろう。荒れた学校で育てば、心も荒み切る。そんな高校生たちの憂いを描出した若手俳優たちの表情には見るべきものがある。

前作『HiGH&LOW THE WORST』に続き、「クローズ」シリーズと「WORST」がクロスオーバーした続編「HiGH&LOW THE WORST X」(「X」=クロスと読む)は、一段とスケールアップした印象だ。存在がぼかされていた鈴蘭男子高校も登場する。前作から約3年。延期に次ぐ延期を経て、コロナ禍中これほど接近戦の多い場面が続く映画をよく撮りあげたものだ。平沼紀久監督とキャスト陣の熱い思いが詰まった一作。

「THE RAMPAGE from EXILE TRIBE」のメンバーが出ているせいか、LDH色が強かったシリーズだが、本作には「NCT127」YUTAこと中本悠太や、「BE:FIRST」RYOKIこと三山凌輝が参戦している。「BE:FIRST」は、ついこの前まで大々的なオーディションを行い、デビューしたばかりのグループではないか。演技分野への進出は早くなったものだ。濃くてクセの強いキャラクターを演じる俳優陣を見ていて気が付いた。そうか、マンガ原作なのだから、これは2.5次元舞台の映像版と考えればいいのだ。

非現実的な世界観に誘うは、映画の原始の力である。“孤高の天才”、圧倒的強者、プライドと凶暴性、冷酷非情。金を使った画策野郎、凄みが幅を利かせる集団、最強最悪の敵…。終盤の大アクションシーンは流石の迫力だ。若手俳優陣の健闘と勇気、支えたスタッフ陣の技術レベルに脱帽ものかもしれない。
(大瀧幸恵)


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配給:松竹
©2022「HiGH&LOW THE WORST X」製作委員会 ©髙橋ヒロシ(秋田書店) HI-AX
2022年製作/119分/PG12/日本
公式サイト:https://www.high-low.jp/sp/movies/theworst-x/
★2022年9月9日(金)より、全国公開


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