マーメイド・イン・パリ (原題:Une sirène à Paris)

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監督:マチアス・マルジウ 
出演:ニコラ・デュヴォシェル、マリリン・リマ、ロッシ・デ・パルマ、ロマーヌ・ボーランジェ、チェッキー・カリョ

老舗のバーでパフォーマーとして勤めるガスパール(ニコラ・デュヴォシェル)は、ある夜傷を負って倒れていた人魚のルラ(マリリン・リマ)を見つけ、保護する。出会った男たちを美しい歌声で魅了し、彼らの命を奪ってきた彼女はガスパールも手にかけようとするが、恋に破れた経験から恋する感情を無くした彼にはその歌声が全く効かない。そんな二人が、いつしか恋に落ちていく。

監督のマチアス・マルジウは、音楽家で小説家、アニメーションも作れば、本作のような実写も撮る。マルチな活躍が目立つ仏の才人だ。冒頭のストップモーションアニメからしてカラフルな色合いが可愛くスイートなテイストがいっぱい!切なさの予兆まで観せながら、実写映像へとスムーズに繋げる技法にも長けている。

本作に於ける大きな魅力は、サウンドデザインだ。物語の中枢を占める¨歌声¨。甘く透明感があり、遠い世界へ誘うような歌声が奏でられる時、物語は鮮やかに展開し出す。何せ、歌い手は人魚♪湿り気を帯びたファンタスティックな歌声を聴かされたら、大抵の男なら「死んでもいい!」と陶然とした心地に違いない。マルジウ監督が仕掛けたアイデアは、その効果を巧みに反作用させている。

更なる魅力は、玩具箱を広げたような美術セット。主人公ガスパールのアパルトマンは、人魚が過ごすバスタブを部屋の中央に置き、摩訶不思議な装飾品に溢れている。カラフルでレトロ。時代を特定していないという意味では、ガスパールの父親(チェッキ・カリョが素晴らしい!)が経営するバーレスクも魔法箱のような賑やかさとまがまがしさに塗れて楽しい。マルジウ監督の想像力と創造性は留まるところを知らぬようだ。仏映画界は本当に”愛され映画”を輩出するのが上手い。
(大瀧幸恵)

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2020/仏/102分/G
製作国:フランス
提供・配給:ハピネット
(C) 2020 - Overdrive Productions - Entre Chien et Loup - Sisters and BrotherMitevski Production - EuropaCorp - Proximus
公式サイト:http://mermaidinparis.jp/
★2021年2月11日(木)より、全国公開

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